取り扱い説明書の内容はリトルカブ(セル付きキャブ車)がベースとなっています。
他のカブでも基本操作や装備はほとんど変わりません。

各部の名称



                ≪写真はリトルカブAA01セル付きモデル≫


                ≪写真はリトルカブAA01セル付きモデル≫


メータの見かた、使いかた


【計器類】

速度計(スピードメータ)
走行中の速度を示します。
法定速度を守り安全走行してください。
速度計には速度範囲表示があり、各ギヤでの上限速度を示しています。
上限速度を超えるとエンジンの故障や損傷の原因となります。

積算距離計(オドメータ)
走行した総距離をKmの単位で示します。白地に黒数字は100mの単位です。


【燃料計】

燃料計の指針は、燃料タンク内のガソリンの量を示します。
ガソリンが減ってくると、指針は“満”から“補給”の方向に移動します。
指針が“補給”の範囲に入ったら、早めにガソリンを補給してください。
燃料計はシート下にあります。このときの残量は約0.7~0.8Lです。


【警告灯・表示灯】

速度警告灯
速度が30km/hを越えると、点滅します。

4速表示灯
メインスイッチがONでチェンジが4速のとき点灯します。

方向指示器表示灯
方向指示器が点滅しているときに点滅します。

ニュートラル表示灯
メインスイッチがONで、チェンジがニュートラルの位置にあるときに点灯します。


スイッチの使いかた


【メインスイッチ】
メインスイッチは電気回路の断続を行います。

キーの位置ON

始動・昼夜間走行ホーン・方向指示器・制動灯(ストップランプ)などが使える。
キーの脱着:抜けない


キーの位置OFF

停止電気回路を全部遮断する
キーの脱着:抜ける

走行中はメインスイッチのキーを操作しないでください。
メインスイッチのキーを“”の位置にすると電気系統は作動しません。
走行中にメインスイッチのキーを操作すると思わぬ事故につながるおそれがありますので
必ず停車してから操作してください。

車を離れるときは、ハンドルロックをかけて必ずキーを抜いてお持ちください。


【前照灯上下切換えスイッチ】(ヘッドライト上下切換えスイッチ)

前照灯上下切換えスイッチを上下に動かして行います。
スイッチを上にスライド:前照灯(ヘッドライト)が上向き
スイッチを下にスライド:前照灯(ヘッドライト)が下向き

昼間は、下向き(ロービーム)に点灯しましょう。


【スタータスイッチホーンスイッチ】(セルフ式スタータ装備車)

スイッチを押している間、スタータモータが回転し、エンジンを始動させます。
(スタータモータを連続して回転させないでください。消費電力が多いため、
バッテリがあがるおそれがあります。)


【ホーンスイッチ】

メインスイッチがONのとき、ホーンスイッチを押すとホーンが鳴ります。


【方向指示器スイッチ】

右左折する時や、進路変更する場合には方向指示器で合図します。

≪使いかた≫
メインスイッチのキーをONにしてスイッチを入れると、方向指示器が作動します。
解除は、方向指示器スイッチを中央に戻して行います。

(方向指示器スイッチは自動的に解除しません。使用後は、必ず解除してください。
つけたままにしておくと他の方に迷惑となります。
電球(バルブ)は、正規のワット数以外のものを使用すると、
方向指示器が正常に作動しなくなります。必ず正規のワット数のものを使用してください。)


装備の使いかた


【ヘルメットホルダ】

ヘルメットホルダは、駐車時のみに使用するものです。
走行時に使用すると、ヘルメットが運転を妨げたり、車体に損傷を与えることがあります。
また、ヘルメットに損傷を与え保護機能を低下させます。

《使いかた》
1.メインスイッチのキーを左に回し、ヘルメットホルダピンのロックを解除します。
2.ヘルメットホルダピンにヘルメットの金具をかけ、ヘルメットホルダピンを押してロックします。

【ハンドルロック】

盗難予防のため、駐車するときは必ずハンドルロックをかけましょう。
チェーンロック等のご使用もおすすめします。

《かけかた》
1.ハンドルを左に切ります。
2.ハンドルロックにメインスイッチのキーを差し込みます。
3.キーを右に180°回します。ロックがかかりにくい場合は、
キーを回しながら多少ハンドルを左右に動かしてください。
4.キーを抜きます。

《外しかた》
かけかたの逆の要領で行います。
(走行前は、ハンドルを左右に切って切れ角が左右均等であるかを確認してください。)

(交通のじゃまにならない安全な場所を選んで駐車しましょう。
ハンドルが確実にロックされているか、ハンドルを軽く左右に動かして確認してください。)

【サイドカバー】

左右のサイドカバーは、別々に取り外せます。
取り外し、取付は、次の要領で行って下さい。

《取外し》
1.スクリューを完全にゆるめます。(スクリューの抜き取りはできません。)
2.サイドカバーを開けます。
3.サイドカバー下部の合せ部をフレームから離します。

《取付け》
取付けは、取外しの逆手順で行います。

【書類・携帯工具入れ】 左サイドカバーを外すと書類・携帯工具を入れるスペースがあります。
取扱説明書やメンテナンスノートなどは、ビニール袋に入れ、ここに格納してください。
携帯工具は、ここに格納してください。

(洗車時、書類の格納場所付近に強く水をかけないでください。内部に水が入ることがあります。)


燃料の補給


《使用燃料》無鉛レギュラーガソリン

・必ず無鉛ガソリンを補給してください。補給するときは、無鉛ガソリンであることを確認してください。
・高濃度アルコール含有燃料を補給すると、エンジンや燃料系などを損傷する原因となります。
・軽油や粗悪ガソリン(長期間保管したガソリン)などを補給したり、不適切な燃料添加剤を使うと、
 エンジンなどに悪影響を与えます。
ガソリンの補給は、必ずエンジンを止め、火気厳禁で行ってください。

警告
ガソリンは、燃えやすくヤケドを負ったり、爆発して重大な傷害に至る可能性があります。

ガソリンを取扱う場合は、
・エンジンを止めてください。また、裸火、火花、熱源などの火元を遠ざけてください。
・燃料補給は、必ず屋外で行ってください。
・こぼれたガソリンは、すぐに拭き取ってください。

身体に帯電した静電気の放電による火花により、気化したガソリンに引火し、ヤケドを負う可能性があります。

ガソリンを補給するときは、
・燃料タンクキャップを開ける前に車体や給油機などの金属部分に触れて身体の静電気を除去してください。
・給油作業は静電気を除去した人のみで行なってください。

【補給のしかた】
1.シート後部を持ち上げ、シートを開けます。
2.キーカバーを開けて、メインスイッチのキーを燃料タンクキャップに差し込み、右に回します。
3.燃料タンクキャップを左に回し、取外します。
4.ガソリンを注入口の下側にあるレベルプレート下端まで入れます。
(ガソリンをレベルプレート下端以上に入れると、燃料タンクキャップのブリーザ孔からガソリンがにじみ出ることがあります。)
5.燃料タンクキャップは手で確実に押して右に回しメインスイッチのキーを左に回して、抜いてください。
(燃料タンクキャップがロックされないと、メインスイッチのキーは抜けません。)
6.キーカバーを閉じます。


【燃料コック】
レバーの矢印が燃料コックの状態を示します。
(カブカスタムにはRESはありません。)
ON
 
キャブレータにガソリンが流れます。エンジンを始動するときはこの位置にします。

OFF

キャブレータにガソリンが流れません。乗車するとき以外は、この位置にします。

RES

予備燃料です。
ONで走行中燃料がなくなったらこの位置にします。
早めにガソリンを補給してください。補給後はONに戻してください。
戻し忘れると、走行中に予備燃料がなくなり走行できなくなります。
予備燃料容量:約0.8L


正しい運転操作


スタータスイッチを押して5秒以内でエンジンがかからないときは、一度メインスイッチをOFFにし、
10秒くらい休んでから再びメインスイッチをONにして、スタータスイッチを押してください。
これはバッテリ電圧を回復させるためです。

【始動手順】

・エンジンが冷えている時
1.ハンドルロックが解除されていることを確認してください。
2.燃料コックレバーがONになっていることを確認します。
3.メインスイッチをONにします。
4.チェンジをニュートラルにします。(ニュートラル表示灯で確認してください。)
5.チョークレバーをいっぱいに引きます。
6.スロットルグリップを1/8~1/4ほど回し、キックスタータペダルを力強くキックします。
(セル付きモデル)
スロットルグリップを1/8~1/4ほど回し、スタータスイッチを押します。
7.エンジンがかかったら、チョークレバーを徐々に戻し、スロットルグリップを少し回したり戻したりしながら、
回転がスムーズになるまで暖機運転し、チョークレバーを完全に戻します。
(チョークレバーを引いたままで長時間暖機運転を行わないでください。エンジンが損傷する恐れがあります。)
8.サイドスタンドが確実に格納してあることを確認してからスタートしてください。

・エンジンが暖まっているとき

1.ハンドルロックが解除されていることを確認してください。
2.燃料コックレバーがONになっていることを確認します。
3.メインスイッチをONにします。
4.チェンジをニュートラルにします。(ニュートラル表示灯で確認してください。)
5.スロットルグリップを1/8~1/4ほど回し、キックスタータペダルを力強くキックします。
(セル付きモデル)
スロットルグリップを1/8~1/4ほど回し、スタータスイッチを押します。
6.エンジン回転が不安定な場合は、回転がスムーズになるまでスロットルグリップを少し回してください。
7.サイドスタンドが確実に格納してあることを確認してからスタートしてください。


【チェンジのしかた】


《セルフ式スタータ非装備車》
停止時と走行時では、チェンジ操作が異なります。
停止時は、3段ロータリー式で3速から直接ニュートラルにチェンジできます。


走行時は、前進3段リターン式となります。
3速からは、直接ニュートラルにチェンジできません。

・変速は、スロットルグリップを一旦戻してから行います。
・チェンジペダルの操作は、つま先かかかとで軽く行い、ペダルにコツンと足ごたえのあるまで
確実に操作してください。無理をすると、チェンジ機構を痛める原因となります。

《セルフ式スタータ装備車》
停止時と走行時では、チェンジ操作が異なります。
停止時は、4段ロータリ式で4速から直接ニュートラルにチェンジできます。
走行時は、前進4段リターン式となります。
4速からは、直接ニュートラルにチェンジできません。

・変速は、スロットルグリップを一旦戻してから行います。
・チェンジペダルの操作は、つま先かかかとで軽く行い、ペダルにコツンと足ごたえのあるまで
確実に操作してください。無理をすると、チェンジ機構を痛める原因となります。


【走りかた】
走行前に、キックスタータペダル、サイドスタンドおよびメインスタンドは
完全に納まっているか確認してください。
車のスピードに応じてギヤを切換えることが必要です。
下記は、その速度範囲を示したものです。
不必要な急加減速をつつしんで走ることが、燃料の節約と車の寿命をのばします。

《セルフ式スタータ非装備車》
速度範囲
1速:0~20 km/h
2速:13~40 km/h
3速:20 km/h以上

《セルフ式スタータ装備車》
速度範囲
1速:0~18 km/h
2速:13~40 km/h
3速:20~55 km/h
4速:25 km/h以上

走行中に異音や異常を感じたときは、ただちにHonda販売店で調べましょう。
発進は、できるだけ静かに行いましょう。
法定速度を守って走りましょう。

《慣らし運転》

適切な慣らし運転を行うと、その後のお車の性能を良い状態に保つことができます。
この車は乗り始めてから500 km を走行するまでは急発進、急加速を避け
控えめな運転をしてください。

《シフトダウンのしかた》
追い越しするときなど、強力な加速が必要なときは、シフトダウンをすると加速力が得られます。
高い速度でのシフトダウンは、尻振りなどの原因やエンジンの回転が上がり過ぎて、
エンジン、ミッションに悪影響を与えるだけでなく、最悪の場合エンジン、ミッションがこわれます。
下記の速度内で行ってください。

《セルフ式スタータ非装備車》
シフトダウン可能限界速度
3速→2速:30 km/h以下
2速→1速:15 km/h以下

《セルフ式スタータ装備車》
シフトダウン可能限界速度
4速→3速:45 km/h以下
3速→2速:30 km/h以下
2速→1速:15 km/h以下


【ブレーキの使いかた】
ブレーキは、前輪ブレーキと後輪ブレーキを同時に使いましょう。
制動力を効果的に得るためには、前輪ブレーキと後輪ブレーキを同時に使う必要があります。

不必要な急ブレーキは避けましょう。急激なブレーキ操作は、
タイヤをロックさせ車体の安定性を損なうおそれがあります。

雨天走行や路面が濡れている場合、タイヤがロックしやすく、制動距離が長くなります。
スピードを落として、余裕をもったブレーキ操作をしてください。

連続的なブレーキ操作は、ブレーキ部の温度上昇の原因となり、
ブレーキの効きが悪くなるおそれがありますので避けてください。

水たまりを走行した後や雨天走行時には、ブレーキの効き具合が悪くなることがあります。
水たまりを走行した後などは、安全な場所で周囲の交通事情に十分注意し、
低速で走行しながらブレーキを軽く作動させて、ブレーキの効き具合を確認してください。
もし、ブレーキの効きが悪いときは、ブレーキを軽く作動させながらしばらく低速で走行して、
ブレーキのしめりを乾かしてください。


《エンジンブレーキ》

《セルフ式スタータ非装備車》

スロットルグリップをもどすとエンジンブレーキがききます。
さらにエンジンブレーキを必要とするときは2速、1速とシフトダウンを行ってください。

《セルフ式スタータ装備車》

スロットルグリップをもどすとエンジンブレーキがききます。
さらにエンジンブレーキを必要とするときは3速、2速・・・・とシフトダウンを行ってください。

急激なシフトダウンは、尻振りなどやエンジン、ミッションに悪影響を与える原因となります。
《シフトダウンのしかた》のシフトダウン可能限界速度の表にしたがって行ってください。

長い下り坂、急な下り坂などでは、断続的なブレーキ操作とエンジンブレーキを併用してください。


簡単なメンテナンス


エンジンオイル

エンジンの性能を維持するためには、定期的なエンジンオイルの点検・補給が必要です。
汚れたオイルや古くなったオイルは、エンジンに悪影響を与えますので、早目に交換してください。

エンジン停止直後のメンテナンスは、エンジン本体、マフラやエキゾーストパイプなどが熱くなっています。
ヤケドにご注意ください。

《オイル量の点検》

1.平坦地でメインスタンドを立て、エンジンを3~5分間アイドリングさせます。
2.エンジン停止2~3分後にオイルレベルゲージを外します。
3.布等でオイルレベルゲージについたオイルを拭きます。
4.オイルレベルゲージをねじ込まず差し込みます。
5.オイルがオイルレベルゲージの上限と下限の間にあることを確認します。
オイル量が下限に近かったら、上限まで補給します。オイルの補給は下記を参照してください。
6.オイルレベルゲージを確実に取付けます。

《オイルの補給》
推奨オイル
Honda純正オイル(4サイクル二輪車用)

ウルトラG1
JASOT903規格:MA
SAE規格:10W-30
API分類:SJ級

相当品をご使用の場合

オイル容器の表示を確認し、下記のすべての規格を満たしているオイルをお選びください。

JASO T 903 規格(二輪車用オイル規格):MA
SAE 規格:外気温に応じ選択
API 分類:SG 、SH 、SJ 級相当
相当品がすべての規格を満たしている場合でも特性が異なりこの車に適合しない場合があります。


クラッチは、エンジンオイルに浸されています。
過度に摩擦を低減するエンジンオイルは、クラッチの滑りや始動不良などを発生させます。
また、エンジン性能や寿命に悪影響を与える場合があります。
必要以上に摩擦低減剤を含むエンジンオイルは、使用しないでください。

必要以上に摩擦を低減する添加物は、加えないでください。
銘柄やグレードの異なるオイルを混用しないでください。
また、低品質オイルや高品質オイルでもこの車に適合しないオイルは、使用しないでください。
オイルが変質したり、適合しないため、この車本来の性能が発揮できないばかりでなく、
エンジンの故障や損傷の原因となります。

《補給のしかた》

1.平坦地でメインスタンドを立て、エンジンを3~5分間アイドリングさせます。
2.エンジン停止2~3分後にオイルレベルゲージを外します。
3.布等でオイルレベルゲージに付いたオイルを拭きます。
4.オイルレベルゲージでオイル量を確認しながら、
  注入口よりオイルをオイルレベルゲージの上限まで補給します。
  補給するときは、オイル注入口からごみなどが入らないようにしてください。   また、オイルをこぼしたときは完全に拭き取ってください。
5.オイルレベルゲージを確実に取付けます。
オイルは規定量より多くても少なくても、エンジンに悪影響を与えます。


【ドライブチェーン】 ドライブチェーンのメンテナンスは、エンジンを停止した状態で行ってください。


《緩み(たるみ)の点検》

スタンドを立て、点検窓からチェーンを手で上下に動かし、チェーンの緩み(たるみ)が
規定の範囲内にあることをスケールなどで確認します。

ドライブチェーンの緩み:25-35 mm

緩みが規定の範囲を越えている場合は、調整してください。

ドライブチェーンの緩みが50mm 以上の場合、絶対に走行しないでください。

また、後輪を手でゆっくり回しながらチェーンが滑らかに回転することを確認します。
チェーンの回転が滑らかでない場合や、異音が出る場合は異常です。
調整などの場合はHonda 販売店にご相談ください。


《給油》
エンジンを止めメインスタンドを立て、後輪を浮かした状態で後輪を手でゆっくり回しながら、
給油を行ないます。
オイルがチェーン各部によく行きわたるようにチェーンローラの両側に給油してください。

指定オイル
“Honda純正チェーンオイル”またはギヤオイル(#80~#90)


【ブレーキ】
前輪ブレーキ

《ブレーキレバーの遊びの点検》

抵抗を感じるまで、手でブレーキレバーを引き、レバー先端の遊びの量が規定の範囲内にあることを
スケールなどで確認します。

前輪ブレーキレバーの遊び:10-20 mm

規定の範囲を越えている場合は調整してください。


調整のしかた

ブレーキレバーの遊びはハンドルを直進状態にして調整します。

ブレーキアーム部のアジャスタにより遊びを調整します。
調整は、アジャスタを半回転ずつ回して行います。

調整後、ブレーキアームを押してアジャスタとピンの間に隙間があることを確認します。


後輪ブレーキ

《ブレーキペダルの遊びの点検》

抵抗を感じるまで、手でブレーキペダルを押し、ペダル先端の遊びの量が規定の範囲内にあることを
スケールなどで確認します。

後輪ブレーキペダルの遊び:20-30 mm

規定の範囲を越えている場合は調整してください。


調整のしかた

ブレーキアーム部のアジャスタにより遊びを調整します。
調整は、アジャスタを半回転ずつ回して行います。

調整後、ブレーキアームを押してアジャスタとピンの間に隙間があることを確認します。

前輪・後輪ブレーキ前輪

《ブレーキシューの摩耗の点検》
前輪はブレーキレバーをいっぱいに引いて、後輪はブレーキペダルをいっぱいに押して、
ブレーキアームの矢印とブレーキパネルの刻印が一致しないことを確認します。

一致する場合は、ブレーキシューの使用限界ですので交換してください。

ブレーキシューの交換は、Honda 販売店にご相談ください。


【クラッチ】
《クラッチの作用の点検》
キックしたとき、滑らず、踏みごたえがあるかを点検します。
エンジンを始動し、アイドリング状態でチェンジを1速(ロー)に入れたとき、
車が動き出さないかを点検します。
スロットルを徐々に開き、エンジン回転を上げたとき、車がスムーズにスタートするかを点検します。


【バッテリ】
この車は、メンテナンスフリータイプのバッテリを使用しています。
バッテリ液の点検、補給は必要ありません。
バッテリのターミナル部に汚れや腐食がある場合のみ清掃してください。

バッテリの取扱い

バッテリ取扱い時には、ショートによる火花やたばこ等の火気に十分注意してください。
バッテリ液は、希硫酸ですので目や皮膚に付着しないよう十分注意してください。
密閉式バッテリですので、液口キャップは絶対に取外さないでください。
バッテリの充電時も液口キャップを取外す必要はありません。

バッテリの近くで作業する時は、保護メガネと保護服を着用してください。
バッテリを、子供の手の届く所に置かないでください。
バッテリには、希硫酸が電解液として含まれています。
希硫酸は腐食性が強く、目や皮膚に付着すると重いヤケドを負います。

万一の場合の応急処置
電解液が目に付着したとき
コップなどに入れた水で、15分以上洗浄してください。
加圧された水での洗浄は、目を痛めるおそれがあります。

電解液が皮膚に付着したとき
-電解液のついた服を脱ぎ、皮膚を多量の水で洗浄してください。

電解液を飲み込んだとき
-水、または牛乳を飲んでください。
応急処置後、直ちに医師の診察を受けてください。


《バッテリターミナル部の清掃》

清掃のしかた
バッテリを取外します。
ターミナル部が腐食して白い粉が付いている場合は、ぬるま湯を注いで拭きます。

ターミナル部の腐食が著しいものは、ワイヤブラシまたはサンドペーパで磨きます。
清掃後、バッテリを取付けます。
その後、ターミナル部にグリースを薄く塗ります。

バッテリを交換する場合は、必ず同型式のメンテナンスフリーバッテリをご使用ください。


《バッテリの取付け、取外し》
取外し

1.右サイドカバーを取外します。
2.カプラの接続を外し、ワイヤハーネスをクランプ部(A)とクランプ部(B)から外します。
3.ボルトを外します。
4.バッテリボックスカバーを開けます。このとき、+側コードをクランプ部(C)より外します。
5.-側コード端子のボルトを外して、-側コードを外します。
6.バッテリを引出し、+側コード端子のボルトを外して、+側コードを外します。
7.バッテリを取出します。

取付け

取外しの逆手順でバッテリを取付けます。

バッテリコードは、必ず先に+側より取付けてください。
また、ターミナル部にゆるみが生じないように確実にボルト/ナットを締付けてください。


【ヒューズ】
《ヒューズの点検、交換》
メインスイッチを切り、ヒューズが切れていないことを確認します。
ヒューズが切れている場合は、指定されている容量のヒューズと交換します。
指定容量を超えるヒューズを使用すると、配線の過熱、焼損の原因になるので
絶対に使用しないでください。

交換してもすぐにヒューズが切れる場合はヒューズの劣化以外の原因が考えられます。
原因を調べて、直してから新品と交換しましょう。


電装品類(ライト、計器など)を取付けるときは車種毎に決められている「Hondaアクセサリ」をご使用ください。
それ以外のものを使用するとヒューズが切れたり、バッテリあがりをおこすことがあります。

ヒューズは、バッテリボックスカバーにあるヒューズホルダにセットされています。

《取外し》
1.右サイドカバーを外します。
2.ヒューズホルダを取出します。
3.ヒューズホルダを開け、ヒューズコード両端を持って引き上げ、ヒューズコネクタをスライドさせます。
4.ヒューズコネクタをひろげないように注意して取外します。

《取付け》
1.ヒューズをヒューズコネクタに取付け、ヒューズが容易に横方向に動かないか確認します。
2.ヒューズ両端を真上から押し込んでヒューズホルダに組付けます。
3.ヒューズホルダを閉じ、バッテリボックスカバーに取付ます。
4.右サイドカバーを取付ます。


【タイヤ】
車を安全に運転するには、タイヤを良い状態に保つことが必要です。
常に適正な空気圧を保ってください。
また、規定の数値を超えてすり減ったタイヤは、使用せず交換してください。

《空気圧の点検》
タイヤの接地部のたわみ状態を見て、空気圧が適当であるかを点検します。
タイヤ接地部のたわみ状態が異状な場合は、タイヤが冷えている状態でタイヤゲージを使用し、
適正な空気圧に調整してください。


過度にすり減ったタイヤの使用や、不適正な空気圧での運転は、転倒事故などを起こす原因となり、
死亡または重大な傷害に至る可能性があります。
取扱説明書に記載されたタイヤの空気圧を守り、規定の数値を超えてすり減ったタイヤは
交換してください。

タイヤの空気圧は徐々に低下します。
また、タイヤによっては空気圧不足が見た目ではわかりづらいものもあるため、
少なくとも一カ月に一度はタイヤゲージを使用して空気圧の点検を行ってください。

走行後のタイヤが温まっている状態ではタイヤの空気圧は高くなることがありますので、
必ず冷えた状態で調整してください。

タイヤの空気圧
前輪:175 kPa (1.75 kgf/cm )
後輪:200 kPa (2.00 kgf/cm )

《亀裂と損傷の点検》
タイヤの全周に亀裂や損傷及び釘、石、その他の異物が刺さったり、
かみ込んだりしていないかを点検します。

道路の縁石等にタイヤ側面を接触させたり、大きな凹みや突起物を乗り越した時は、
必ず点検してください。


《異状な摩耗の点検》
タイヤの接地面が異状に摩耗していないかを点検します。

タイヤの状態が異状な場合は、Honda 販売店にご相談ください。

《溝の深さの点検》
溝の深さに不足がないかをウェアインジケータ(スリップサイン)により確認します。
ウェアインジケータがあらわれたときは、ただちに交換してください。

《交換タイヤの選択について》
タイヤを交換するときは、必ず指定タイヤを使用してください。
指定以外のタイヤは、操縦性や走行安定性に悪影響を与えることがありますので使用しないでください。
タイヤの交換は、Honda販売店にご相談ください。

主要諸元


主要諸元《セルフ式スタータ非装備車》

型式 BA-AA01
長さ 1,775 mm
660 mm
高さ 960 mm
軸距 1,185 mm
原動機種類/総排気量 ガソリン4サイクル0.049
車両重量 79 kg
乗車定員 1人
タイヤサイズ 前輪-2.50 14 32L
後輪-2.75 14 35P
最低地上高 115 mm
燃料消費率※ 125.0 km/l(車速30 km/h 定地走行テスト値)
最小回転半径 1.8 m
圧縮比 10.0
最高出力 2.9 kW(4.0 PS) / 7,000 rpm
最大トルク 4.7 N.m(0.48 kg.m) / 4,500 rpm
燃料タンク量 4.0l
点火型式 CDI式・マグネット点火
点火時期 BTDC27° / 1,700 rpm
アイドリング回転数 1,700 rpm
点火プラグ (NGK)
CR6HSA
CR5HSA
CR7HSA
(DENSO)
U20FSR U
U16FSR U
U22FSR U
蓄電池(バッテリ) 12V-3Ah
機関から変速機までの減速比 4.058
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式
変速機操作方式 左足動式
変速比 1速3.272
2速1.764
3速1.190
第一減速比 2.785
※ 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。
したがって、走行時の気象、道路、車両、整備などの諸条件により異なります。


主要諸元《セルフ式スタータ装備車》
型式 BA-AA01
長さ 1,775 mm
660 mm
高さ 960 mm
軸距 1,190 mm
原動機種類/総排気量 ガソリン4サイクル0.049
車両重量 81 kg
乗車定員 1人
タイヤサイズ 前輪-2.50 14 32L
後輪-2.75 14 35P
最低地上高 115 mm
燃料消費率※ 132.0 km/l(車速30 km/h 定地走行テスト値)
最小回転半径 1.8 m
圧縮比 10.0
最高出力 2.9 kW(4.0 PS) / 7,000 rpm
最大トルク 4.7 N.m(0.48 kg.m) / 4,500 rpm
燃料タンク量 4.0l
点火型式 CDI式・マグネット点火
点火時期 BTDC11° / 1,700 rpm
アイドリング回転数 1,700 rpm
点火プラグ (NGK)
CR6HSA
CR5HSA
CR7HSA
(DENSO)
U20FSR U
U16FSR U
U22FSR U
蓄電池(バッテリ) 12V-3Ah
機関から変速機までの減速比 4.058
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング
変速機形式 常時噛合式
変速機操作方式 左足動式
変速比 1速3.181
2速1.705
3速1.238
4速0.958
第一減速比 2.928
※ 燃料消費率は定められた試験条件のもとでの値です。
したがって、走行時の気象、道路、車両、整備などの諸条件により異なります。



サービスデータ


前輪ブレーキレバーの遊び 10-20 mm
後輪ブレーキペダルの遊び 20-30 mm
タイヤ空気圧 前輪175 kPa (1.75 kgf/cm )
後輪200 kPa (2.00 kgf/cm )
エンジンオイルの量 全容量0.8
オイル交換時0.6
ヒューズ 7A
点火プラグの点火すきま 0.6-0.7 mm
エアクリーナエレメント 形式:ろ紙式
ドライブチェ-ンのたるみ 25-35 mm
電球(バルブ) ヘッドライト:12V 30/30W
ストップ・テールランプ:12V 18/5W
ウインカランプ:12V 10W